なぜトップセールスは「商品説明」から話さないのか

― シンガポール発・成果を出し続ける営業組織の共通原則(Golden Circle)―

はじめに|営業が「説明競争」になった瞬間、負けが始まる

多くの営業マンはこう考えています。
• うまく説明すれば売れる
• 機能を伝えれば納得してもらえる
• 論理的に話せば正解だ

しかし現場では、
「説明が上手い人ほど売れない」という現象が頻繁に起きます。

この矛盾を、最もシンプルに言語化した理論が
ゴールデンサークル理論(Golden Circle)です。

  1. ゴールデンサークル理論とは何か?

この理論は、TEDで有名な サイモン・シネック 氏が提唱しました。

結論は非常に明快です。

人を動かす人は
「What(何を)」ではなく
「Why(なぜ)」から話す

ゴールデンサークルの3層構造
1. Why(なぜ)
 信念・理念・存在理由
2. How(どうやって)
 独自性・方法論
3. What(何を)
 商品・サービス・機能

多くの営業は③→②→①の順で話します。
トップセールスは必ず①から話します。

  1. 売れない営業 vs 売れる営業の「話す順番」

❌ 売れない営業(What → How)

「新しいサービスが出ました(What)」
「機能が優れていて、コストも安いです(How)」

結果:
「売り込みだな」で終了。

✅ 売れる営業(Why → How → What)

「私たちは、〇〇業界の“見えないロス”をなくしたいと本気で考えています(Why)」
「そのために、現場の動線を徹底的に分析する仕組みを作りました(How)」
「その結果、生まれたのがこのサービスです(What)」

結果:
「ちょっと詳しく聞きたい」に変わる。

  1. なぜ「Why」から話すと人は動くのか(脳の仕組み)

これは精神論ではありません。
脳科学的に説明できます。

● Why は「感情の脳」に直接届く
• Why(信念・想い)
→ 大脳辺縁系(感情・意思決定)

人はここで
「共感するか」「信頼できるか」を判断します。

● What は「理屈の脳」しか動かさない
• What(商品・機能)
→ 大脳新皮質(論理・比較・検討)

ここだけを刺激すると、
人は「比較モード」「値段モード」に入ります。

👉 つまり
Whatから話す=価格競争に自ら入る行為です。

  1. シンガポール視点で見る「Why営業」の本当の価値

シンガポールをはじめとするグローバル市場では、
• 情報は溢れている
• 機能差はすぐにコピーされる
• 価格優位は長続きしない

だからこそ問われるのは、

「なぜこの会社と付き合うのか?」

● Whyが明確な会社の特徴
• 顧客が価格だけで離れない
• 長期契約・継続取引になりやすい
• 紹介が自然に生まれる
• 組織がブレにくい

これは
営業個人のスキルではなく、企業価値そのものです。

  1. ゴールデンサークルは「営業トーク」ではなく「組織設計」

重要なのは、
ゴールデンサークルを個人芸にしないこと。

売れる組織は、ここが揃っている
• 会社のWhyが言語化されている
• 営業全員が同じWhyを語れる
• How(方法論)が再現可能
• What(商品)は変わってもWhyは変わらない

👉 だから人が育ち、売上が積み上がる。

  1. 明日からできる実践ステップ(超重要)

Step1:自分(会社)のWhyを1文で書く

例:
• 「私たちは〇〇業界の△△をなくすために存在している」
• 「顧客が□□で困らない世界を作りたい」

Step2:営業トークの冒頭を全部Whyに変える

×
「本日は新サービスのご案内で…」


「今日は“なぜこの話をしているのか”から聞いてください」

Step3:商品説明は最後でいい
• 興味を引く
• 共感を作る
• 信頼を得る

👉 その後に出てくるWhatは、もう拒否されにくい。

結論|売れる人は「説明」ではなく「共感」を設計している

ゴールデンサークル理論の本質は、これです。

人は
商品ではなく
信念に動かされる

そしてこれは、
• 営業
• マーケティング
• 組織作り
• ブランディング

すべてに共通します。

シンガポール法人としての視点

短期売上より、
長期で信頼される企業であること。

そのために必要なのは、
• 何を売るか(What)ではなく
• なぜ存在するのか(Why)を語れる組織

それが、
グローバル市場で生き残る営業の本質です。

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